あさひまち物語 ~文化と風景~
こんにちは、ささです!
前回は、わかめ採りから出荷までの流れを紹介しました。
↓下のリンクから見ることができます!
今回は、灰付けわかめの特徴と、漁協組合長の水島洋さんの想いを紹介します。
まず、豊かな磯の香りと、濃い緑色をしているのが、灰付けわかめの特徴です。
朝日町漁業協同組合員の方によると、灰付けをすることで、わかめのあくが抜けて、より良い香りと味わいになるそう。
では、灰付けわかめの商品としての特徴を見ていきましょう。
灰付けわかめのパッケージ
取材には、朝日町漁業協同組合(以下、漁協)さんと、朝日町観光協会の上澤聖子さんにご協力いただき、一部写真は、上澤聖子さんからご提供いただきました。
戻し方は人によって様々ですが、ここでは2通りの方法をご紹介します。
1、ざるにわかめを入れて、水で数回すすいで灰を十分に落とします。
新しいものならすぐ緑色に変わり、灰を落とせばそのまま食べられます。
下記の動画で戻し方1を紹介しているので、ご覧ください!
2、沸騰させたお湯でさっと湯通しします。
ここで気をつけることは、わかめを煮ないこと。お湯に入れるだけで、灰が落ちてきれいな緑色になります。
漁協組合員の方によると、食べやすい大きさに切って、生姜醤油かマヨネーズをつけた刺身でいただくのが一番だそうです!他には、すすいだものを味噌汁に入れるもよし、酢の物にするもよしだそうです。
お好みの食べ方を見つけるのも、良いですね!
朝日町地域おこし協力隊の愛場千恵子さんが、灰付けわかめを使ったレシピを紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください!
Instagramの「あさひレシピ」 @asahi_recipe
また、朝日町の料理旅館 有磯さん ( https://www.asahi-tabi.com/asahimachi/345/ ) と、魚津市の四季料理 悠さん ( https://shikiryori-yu.com/ ) が灰付けわかめを使った料理を提供されているので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
商品として、灰付けわかめは常温で1年間保ちます。
灰の効果でわかめが柔らかくなりすぎてしまい、時間が経ちすぎると、わかめを水洗いしている時に溶けるようにとろとろと柔らかくなってしまうので、早めに食べるのが良いです。
参考までに、生わかめは茹でて冷凍しても3ヶ月、茹でて冷蔵庫なら3日しか保たないので、やはり灰付けの効果は大きいということがわかります!
地元で販売しているのは、魚の駅生地、高岡屋(生地、コスモ21)、なないろKAN、ドライブインきんかい、いきいき富山館の6箇所です。「灰付け若布」という名前で現在販売中で、価格は100gで1,190円、200gで2,100円となっています。
上記以外の方法として、漁協では、4月1日から電話予約を受け付けています。予約注文は県外の方がほとんどです。「一度このわかめを食べたら、他のものを食べられなくなる」と言うくらい、虜となる人が多いそうです。
地元のものを県外の方にも愛していただけるのは、嬉しいですね!
漁協組合長である、水島洋(みずしまひろし)さんにいくつか質問させていただいたので、その内容を紹介します。
保存が効くこと。灰をつける最大の理由はこれ。
冷蔵庫のない時代は、金の洗面器を被せて、水をかけて冷やしていた。
理由はわからないが、保存のために当時から灰付けを行っていたのは、わかめだけ。
そのほかの保存方法として、いわしは塩に漬けたり、米ぬかにつけてたりしていた。
以前からずっと続いてきていたもの。去年は中止となり、今年もやらなくてもよかったかもしれない。
しかしそのように考えていたら、これからも続けていこうという意識が薄くなっていってしまう。
組合長として、文化を伝承していくことに責任を感じている。
コロナは終わりが見えない、だから今年は新しい生活様式として、三密を避けながら再開することを決意。
作業は重労働であるため、組合員の皆さんが乗り気でなかったとしても...再開してみてよかったと思っている。
手前でわかめをさばき、その奥で灰を付け、砂浜の上でわかめを並べています。
全国的にも珍しい、この宮崎地区に伝わる伝統文化を組合長として絶やしたくない。
でも守っていくにはどうしても経費がかかってしまう。
灰付け用の灰のために、毎年60アール分の稲藁を確保し、漁協組合員の方々に灰作りを頼んでいる。
朝日町観光協会から伝統文化保護のための資金援助をもって、組合員の賃金にしているのが現状。
そのような援助がないと、続けていくことが難しいのも事実。
稲藁を燃やしている様子。
灰付けわかめを含めて、地元の食材を地元で消費することを考えてほしい。
地産地消によって、お互いが助け合っていくことが大事。案外地元の人は、地元産のものを食べていないと思う。
大体県外や町外のものを食べている場合が多い。
朝日町の漁師がおろしている市場が黒部市にあり、朝日町のお店と結びついている業者は魚津市にある。
よって、朝日町になかなか地元の食材が入ってこない構造になっていることが原因だ。
これから地産地消をもっと進めていきたいと思う。
利便さばかり求めるのではなく、昔の生活様式も大切にしていかなきゃいけないね。
朝日町で育った人は、きっと一度は耳にする灰付けわかめ。
その裏側には、昔からの知識と経験、それに手作業による作業と良い商品を作りたいという生産者としての想い、またこの伝統文化を絶やしたくないという、町民としての想いもありました。
約150年間受け継がれてきた灰付けわかめを途絶えさせたくないと感じるとともに、よりたくさんの朝日町民の方々に、灰付けわかめの歴史や魅力を知ってもらいたいなと、改めて感じました。
今後は少し足を伸ばして、地元で採れた食材を買いに出かけてみませんか?
わかめ採り当日の宮崎海岸(ヒスイ海岸)
今回は、灰付けわかめの特徴と、組合長水島洋さんへのインタビュー内容を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
少しでも、灰付けわかめの特徴や生産者の想いを知っていただいた上で、興味を持っていただけたら嬉しいです!
今回で灰付けわかめ特集は終わりですが、今後も朝日町の文化について取材していくので、
記事の更新楽しみにしていてくださいね~!
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朝日町漁業協同組合
〒939-0703 富山県下新川郡朝日町宮崎1353
TEL/0765-82-0034
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一般社団法人朝日町観光協会
〒939-0744 富山県下新川郡朝日町平柳688
TEL/0765-83-2780 FAX/0765-83-2781
HP : https://www.asahi-tabi.com/
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活動の様子はこちらでも見ることができます!
ぜひチェックしてみて下さいね~!
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